渡辺美里 うたの木 ~今夜のスペシャリテ~
2014.03.12 @Billboard Live TOKYO
2005年8月6日の『MISATO V20 スタジアム伝説~最終章~ NO SIDE』(インボイスSEIBUドーム)を鑑賞して以降、実は渡辺美里さんの曲を聴くこともなく、またライヴ会場へ足を運ぶこともしなくなりました。20年続けてこられたstadium公演に終止符を打たれたことで小生なりに良き思い出として記憶に留め一区切りつけたかったのかもしれません。
これまで足を運んだライヴはすべて遠目にしか美里さんの歌う姿を観ることが出来なかったこともあり(無論、間近で鑑賞するなど不可能に近い)、今回BLTでの開催が決定するや此処であれば至近距離とは言わずとも充分肉眼で拝めるものと判断。ticket発売日当日の11:00丁度にPCから予約を入れるも自由席はすでに完売のためメンバーズ・シートで予約を取りました。おそらく自由席はファンクラブ専用枠として発売されたのでしょう。
メンバーズ・シートは自由席の後方エリアとはいえ決して悪い席ではなく、左端の座席ながら4列目。上半身を右に向けながらもこれだけ間近で鑑賞できるのであれば特に不満はありません。
まず1曲目に歌われた『Bella Notte』はDisney®映画『わんわん物語』の挿入歌。続く2曲目『My Favorite Things』も映画『The Sound of Music』からの曲。
映画の描写シーンの説明を交えつつ曲名を紹介され、昔のimageを思い描いたものとはまったく別のstageが繰り広げられます。
3曲目にして『PAJAMA TIME』が歌われましたが、やはりJazzyな歌い上げから今宵は一味も二味も違う大人モードな渡辺美里さんの歌を堪能することになりそうです。
全盛期(と云ってはご本人に失礼ですが)の頃そのままの歌い方を期待されて訪れた方にとったらつまらないstageになっていたかもしれませんが、これはこれで有りだと思います。
先日の「Smoothes」feat. KOKIAでもスタンダードJAZZばかりが披露されましたが、今はこうしたJAZZアレンジが花盛りなのでしょうか。
『Cry Me a River』では一緒に歌詞を口ずさみ、そして新曲『ここから』は30周年yearの第一弾シングル。
六本木のお店でアルバイトをしながらrecordingに継ぐrecordingの日々だった思い出話とともに今同じ六本木にあるBLTのstageに立っていることに深く感動されているご様子。苦労話とまではいかないけれどデヴュー前後の渡辺美里さんの知られざる一面を垣間見た思いです。
そしてここから『10 years』、『IT’S TOUGH』、『虹を見たかい』と容赦なくこちらの涙腺をゆるませてきます。各々の曲がリリースされた頃の懐かしい情景が脳裏に浮かんでくるんですね。もう口ずさもうにも言葉にならず、冷たい滴が頬を何度も流れていきます。しかもJazzyなアレンジを施しているものだから深みがあるんですね。
hall公演、stadium公演を鑑賞していた若かりし頃は場内の雰囲気に合わせて手拍子をする、歓声を送る、waveに参加することが倣いでした。しかし今宵は周りのことなど気にせず小生自身が楽しむことに徹します。
4列目ゆえに美里さんと何度も目が合います。その度に元気を貰うというか力が漲るというか、30年目にして漸く体感できた美里パワー。(凄いです、もの凄いです)
Duke Ellington作『It Don't Mean a Thing(If It Ain't Got That Swing)』、そしてアップテンポの曲『グッときれいになりましょう』をもって終演。リズム隊、そして美里さんがstageを降ります。
そしてアンコールの拍手が鳴り響き、再びstageに登場。最後はやはりこの曲『My Revolution』。
本来であれば客席総立ちでノリノリになるのかもしれませんがJazzyなアレンジ。しっとりと聴き入ります。それでも全身に渡辺美里の歌が染みついてしまっているようで勝手に足がrhythmを取り、時に腕を高く掲げ、一緒に歌い、良い意味での恍惚感が駆け巡ります。
もっともっと聴きたい衝動に駆られつつも最後の曲は『夢のあいだ』。この曲をもってBLT公演最終日(2nd stage)は幕を閉じました。
30周年yearとなる本年(2015年5月2日でデヴュー30周年)、渡辺美里さんの歌をまた聴き始めようと思います。