Helen Merrill

ヘレン・メリル featuring 佐藤允彦トリオ with special guest 山本邦山

2013.04.12 @BLUE NOTE TOKYO

今回、リズム隊が佐藤允彦トリオ、ゲストに人間国宝・山本邦山丈（尺八）と異色な組み合わせに小生は心躍らず、半ば惰性でBNTへと向かいました。

およそ一年振りとなるHelen Merrill来日公演は佐藤允彦トリオによる演奏で幕が開きました。

佐藤允彦さん（p）がマイクを手に取り、「前座を務めさせていただきます」と一言。ところが演奏が始まると貫録ある渋いプレイに筆舌しがたい感動と興奮が迸り、椅子から転げ落ちそうになりました。

佐藤さんの趣あるpiano、加藤真一さんの温かみある包容力を醸すbass（1837年製）、村上寛さんのダイナミックで切れのいいdrumsの絶妙コンビネーションに脱帽！！

このまま演奏を聴き続けられるだけで充分満足と思っていると尺八奏者・山本邦山丈がステージ上に姿を現し、口上でHelenさんと一緒に昔の写真を見ていた時のお話をされました。

「いつ頃の写真でしょう」とHelenさんに問いかけると「Yesterday !」と返答されたそうで、Helenさんには年齢のお話をしてはいけない、怒られてしまうそうです（ん～、Helenさんに怒られるなんて羨ましいな）。

ここから人間国宝・山本邦山丈の尺八が加わり、さらに演奏の芸術的価値が高まっていきます。

余談ながら、普通、生活をしていればまず人間国宝の方にお会いすることはないでしょう。そのような方が目の前で演奏されている。これは凄いことだと思います。しかもHelen Merrillさんの歌声も聴けるのだから贅沢の極みです。

そしていよいよHelenさんのご登場。

昨年に比べ、幾分お痩せになられたようにお見受けしましたが、”ニューヨークのため息”の歌声は健在でした。

佐藤允彦トリオ、山本邦山丈、そしてHelen Merrillさんという三部構成はもうBNTではやらないでしょうね。そういう意味では大変貴重なステージを鑑賞できたと思います。

helen merrill

ヘレン・メリル・ウィズ・フレンズ・イン・八千代座